記憶力強化書―通勤、通学電車の中でもできる記憶術―

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あらすじ/作品情報

人間は、ある意味で「記憶」の蓄積した生き物だといえよう。もし、過去のことを一切覚えていなかったら、社会生活を営めないだろう。 世の中に記憶力不足に悩む人は多い。「最近、ど忘れすることが多くなった」、「試験に必要なことが覚えられない」、「覚えてもすぐに忘れてしまう」など、老若男女を問わず共通した問題だ。「もっと記憶力を向上させたい」という願いは切実だ。 そこで本書では、記憶力向上のための基本を、記銘、保持、想起という三つの流れから考えてみた。つまり同じ記憶力であっても、覚えられないというのと、想い出せないというのでは、流れの位置が異なるものだ。 ビジネスマンは、時間不足に慢性的に悩まされている。記憶力を強化したくても、そんな時間がないという嘆きも多く聞かれる。多忙な人々のために、いつでも、どこでもできるのが本物の記憶力強化法だという信念のもとに、「通勤電車でできる記憶力強化法」を紹介している。特別な時間を費やすことなく、いつのまにか記憶力が向上してしまうことに驚かれるだろう。  日に10万個近くが死滅していくといわれる脳細胞。人間の寿命と同様に、限りある“資源”でもあるわけだ。そんな大切な、21世紀に向けての貴重な資源を、最大限に活用してもらいたい。また、「記憶術」というと、いかにして記憶するかのテクニックである、とばかり考えがちである。確かに、記憶することは記憶術の要であるが、それだけではない。つまり、「覚える」というだけでは、本当の記憶術にはならないというのが松本幸夫氏の持論だ。だから、一口に記憶するといっても、記憶の流れについては最低限理解しておくことが欠かせない。 記銘については、巷間、記憶術のテクニックが説かれている。しかし、本書では、まず「何のために記憶するか」を考えている点が他と異なる。それがないと、無目的にいたずらに量を覚えよう、競争しようという方向に向かってしまう。次に、人間の成長を考えている。今までできなかったことが、訓練によってできた。その時の喜びは子供の頃の自転車乗りとも共通している。記憶力が強化されると、自信がつき人間的にも成長していく。 そして最大のポイントは、人間が記憶するのであって、私たちは記憶力マシーンではないということだ。当然そこには、感情もあるし体験も含まねばならない。人間性をも加味した真の記憶力を、本書によって、一人でも多くの人に身につけて欲しい。

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