さくらの夜
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あらすじ/作品情報
三十年前、中学の卒業式が終わった日の夜、古賀はこっそり夜の教室に佇んでいた。桜の花びらが窓の外を、鮮烈な色彩を持って降り続けていた。そして…白川先生もひとり、教室にいた。東京の私立中学を辞めて、教員不足が深刻な故郷のために三年前に戻ってきてくれた先生。春からは東京の高校にいってしまう古賀は、育んだ恋をこの一瞬に遂げることで頭が一杯になってしまい…そして、その故郷にいま仕事で来ている。急な泊まりに宿を案内してくれた、あのときの桜を眺めていた女性──ラストに鮮やかな展開が待ち受ける、官能文芸誌「悦」掲載の、傑作短編!【著者略歴】松崎詩織(まつざきしおり) ─ 2006年「フラジャイル」にて第四回幻冬舎アウトロー大賞特別賞を受賞。同年『教育実習生』(幻冬舎)でデビュー。女性の心の襞に刺さる作品に定評がある。ラストの鮮やかな展開は特徴のひとつ。