5本のワインの物語 Five Wines’ Story
あらすじ/作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。日本ワイン映画「シグナチャー」の主人公モデル・安蔵光弘氏(シャトー・メルシャンGM)による半生記。現代日本ワインの父と称される麻井宇介氏は、著者が新入社員のときからワイン醸造家としてのあるべき姿を教えてきた。病に倒れ、余命宣告を受けた麻井氏は、病院で面会した安蔵に「あなたが日本のワイン造りを背負っていってくれよ」と伝え、入社7年目の安蔵が答えに詰まると、「君が背負わなかったら、だれが背負うんだ!」と背中をたたいて激励した。以来、安蔵はその背中の感触を忘れることなく、麻井氏との重い約束を果たすために、全力で日本ワインと向き合ってきた。本書は、ワイン造りを志し、ワイン会社に就職するまでをプロローグとし、師と仰ぐ先輩との出合い、日本でのワイン造りを志す妻との結婚、ボルドー駐在、欧州系専用品種によるワインの品質向上、海外でも通用する日本固有品種の新たなワイン、妻・正子のワイナリー建設(2022年)までの半生を、数年の期間ごとに分け、それぞれの時期で印象に残る5本のワインを軸に全5章で構成。これまでの歩みを事実に忠実に語る本書には、日本ワインの知られざるエピソードがふんだんに盛り込まれている。日本ワインがめきめき実力をつけていった時代、その最先端を走り続けてきた醸造家が自ら記す証言だ。安蔵光弘のエピソードでは、ワイン醸造のテクニックや考え方が細かく描写され、常に最先端を切り拓くワイン造りの現場を知ることができる。妻・安蔵正子のワイナリー建設のエピソードからは、個人が日本でワイナリーを立ち上げることの現実を知ることができる。そして、互いにワイン醸造家として尊重し合い、認め合い、助け合う醸造家夫婦ならではの関係もふんだんに描かれ、愛のあり方に温かい気持ちになる。日本ワインに携わる人、日本ワインを愛する人、日本ワインに関心を持った人に読んで欲しいドキュメンタリーだ。